札幌の繁華街・すすきのでは、北海道の要請で飲食店などを対象にした営業時間の短縮が始まった。
飲食店経営者らは新型コロナウイルスの感染防止策として理解を示す。

ただ、通り1つ隔てただけで要請対象と対象外に分かれた狸小路商店街では不満の声が多い。

「営業時間の短縮要請により午後10時までにします」。すすきの地区の飲食店店頭には、7日から始まった営業時間の短縮を知らせる案内を出すところが目立つ。

すすきの地区の飲食店からは、悲痛と諦めの声が上がる。市中心部で複数業態の居酒屋を運営するスマイルソル(札幌市)は、営業時間を短縮する予定だ。
小川宏社長は「(新型コロナが)ここまで流行してしまうと営業縮小は仕方ない。忘年会シーズンに向けて望みを残すため耐えるしかない」とあきらめ顔だ。

スナックを営む50代男性は「お客さんに協力してもらいながら頑張ってきたのに……。抑え込むのはもう難しいのではないか」と肩を落とす。

北海道と札幌市は27日までの3週間、すすきのの飲食店などに営業時間の短縮を求めている。
キャバレーやホストクラブなど接待を伴う飲食店と、バーやナイトクラブには午後10時から翌日午前5時まで営業しないよう促す。

カラオケ店や居酒屋、ラーメン店などには同時間帯に酒類を提供しないよう求める。

11日までに時間短縮に応じた場合に20万円の支援金を支給する。時間短縮による損失などにあててもらう考え。
ただ、市内の飲食事業者の間では「これまでも補助金は全て受け取ってきたが、当然これだけでは足りない」(スナック経営者の男性)との見方が大勢だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65999620Z01C20A1L41000/