全国の私鉄大手14社の2020年9月中間連結決算が12日出そろい、全社が大幅な減収を記録し、赤字に転落した。新型コロナウイルスの感染拡大は鉄道事業以外のホテル、レジャー事業にも深刻な打撃を与えており、21年3月期の連結業績も全社が純損益の赤字を見込んだ。

鉄道は在宅勤務の普及などにより、輸送人員の落ち込みが激しい。外出やイベントの自粛でホテルの稼働率も低迷。プリンスホテルなどを運営する西武ホールディングスは通期で14社中最大の赤字となる630億円の純損失を見込む。800億円の増資を実施し、財務基盤を厚くする。

国際線を中心とした航空需要の蒸発も、空港にアクセスを持つ京浜急行電鉄や南海電鉄に大きな影響を及ぼした。巣ごもり需要で食品を取り扱う小売事業は比較的軽傷だが、不動産など幅広い事業が不調だ。

政府の観光支援事業の効果もあり、各社は20年度下期では全体的な回復傾向を想定する。経費削減やデジタル化を進め収益性を高める方針だが、コロナ感染者数が再び増加しており先行きの不透明感は増している。

サンスポ 2020.11.12
https://www.sanspo.com/geino/news/20201112/eco20111218590006-n1.html