見通しの甘さを認め謝罪しました。11日、開業が1年半遅れるとされた北陸新幹線の金沢=敦賀間。鉄道運輸機構は去年夏の時点ですでに工事が数カ月遅れていることを把握していました。

 12日午後、石川県の谷本知事を訪ねた国土交通省の上原鉄道局長と建設工事を担う鉄道・運輸機構の北村理事長。幹部が地方に出向くのは異例です。

国土交通省 上原淳鉄道局長:
「しっかりと工期短縮を図っていきたい」

 2023年春に開業を予定していた北陸新幹線の金沢=敦賀間。石川と福井の県境にある加賀トンネルにひび割れが見つかり、少なくとも10か月の遅れが出ていることを報告しました。

 さらに敦賀駅は現時点で1年半工事が遅れているとのこと。これに対し谷本知事は…。

谷本知事:
「1年半も延期なんてことをさらっと言われても我々としては納得できない」

 その上で谷本知事は追加の工事費およそ2880億円について地方負担は受け入れられないと明言しました。

谷本知事:
「自分たちは政府与党の申し合わせを破ることになるかもしれないけど、地方はちゃんとルールを守ってくれよというのは何か考えとして筋違いな感じがする」

 しかしこの工事の遅れ。鉄道・運輸機構は去年夏ごろすでに数カ月遅れていることを把握していたというのです。

鉄道・運輸機構 北村隆志理事長:
「鉄道局には『遅れはあるけど何とかなる』と報告していた。我々の見通しの通りにならなかった。すごく反省している」

 このため詳細を国土交通省に報告しなかった鉄道運輸機構。しかし加賀トンネルのトラブルもあり今年7月に2年遅れる見通しに…。この時点でようやく国に報告したといいます。

国土交通省上原淳鉄道局長:
「まだその時点で工期が非常に厳しいとは把握していたが間に合うという認識だった」

 開業にあわせて観光客の受け入れ準備を進めてきた温泉街は…。

山代温泉観光協会 萬谷正幸会長:
「せめて半年後ぐらい、2023年度内、秋ぐらいに開業してほしい」

 誰もが信じて疑わなかった2023年春の敦賀開業。膨らんだ期待が大きかっただけに怒りと落胆が広がっています。
石川テレビ

https://news.yahoo.co.jp/articles/cfdfd5c423d264fb7621e90232a90f2dd4743fbe