群馬県は、約6万人に上る県内の外国人県民との共生社会の実現を目指す「多文化共生・共創推進条例(仮称)」の素案をまとめた。条例制定により県民全体で共生の基本理念を継続的に共有する。推進会議の設置など実施体制も規定して実効性を高める。来年4月1日の施行を目指す。

 県によると、県内の平成30年の外国人労働者数は約3万4500人。4年間で約2倍に増加するなど県経済にとって不可欠な存在となっており、在留資格「特定技能」の創設で今後もこの傾向は加速するとみられる。

 条例案の前文はこうした情勢を踏まえて、外国人を単なる労働力ではなく「仲間」ととらえ、「外国人との共生を推進し、外国人と力を合わせて持続可能な地域社会の実現を目指す」とうたった。

 多文化共生の定義は、「国籍や民族などが異なる人々が互いの文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら安心して暮らすこと」とした。

 その上で基本理念について、「全ての県民が国籍などの違いにかかわらず、地域社会を構成する一員として受け入れられる社会の実現を図る」などと定めた。

 実施体制では、有識者らの意見を参考に「推進基本計画」を策定。市町村との協働により全県的な取り組みにしていく。また、県民の理解が深まるよう10月ごろを「推進月間」に定め集中的な情報発信を行う。

https://www.sankei.com/politics/news/201127/plt2011270044-n1.html