神戸の有料道路通行料、5年間で12億円徴収漏れ 市、実態把握も対策取らず
12/2(水) 18:34配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/689cf2da6a1957fa0ee23310e69c58fe1b83e116

 神戸市東灘区と中央区の人工島を結ぶ有料道路「ハーバーハイウェイ」の通行料の徴収漏れが2015〜19年度の5年間で、少なくとも12億円超に上ることが、道路を管理する神戸市への取材で判明した。夜間に無人となる料金所で、ほとんどの車両が料金箱に通行料を入れず通過しているため。市は通行量をセンサーで計測し、実態を把握していたが、自動料金収受システム(ETC)設置など対策を取らなかった。

 ハーバーハイウェイは高羽―新港ランプ間の全長約10・5キロで、1998年に全線開通。摩耶ランプで東西2区間に分かれ、全車種共通で料金は1区間110円、2区間で210円に設定されている。

 2区間を通る場合は本線上の料金所で、東西1区間を通る場合は摩耶ランプの出入り口にある料金所で係員に料金を支払う。市は00年から「通行量が少なく、人を配置すれば赤字になる」とし、出入り口の料金所を午後8時〜午前8時までの夜間、早朝を無人とし、鉄の料金箱に投入する方式にした。

 市のセンサーによる通行量調査では、記録の残る15〜19度年の夜間、摩耶ランプを起点・終点とし東西それぞれの区間を計1111万台が通過していた。本来、約12億2000万円が支払われるはずだったが、実際に徴収したのはわずか341万円だった。

 市港湾局は「夜間も料金所に係員を配置すれば現状の通行量は見込めず、係員の人件費が通行料収入を上回る懸念があった」としている。一方で、20年度中にETCの設置工事を始め、22年度には運用を始める方針で、当面は看板で注意喚起するという。【反橋希美】