北海道旭川市の旭川厚生病院は4日、同日までに入院患者ら214人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。11月21日にクラスター(感染者集団)が確認されて以降も感染が拡大し、国内最大規模のクラスターが発生した永寿総合病院(東京都台東区)の感染者数に並んだ。旭川市内の民間総合病院「吉田病院」でも173人が感染しており、病院が市を通じて自衛隊の派遣を要請している。これで両病院での感染者は計387人となった。

旭川厚生病院は病床数499床の総合病院。救急患者も受け入れる地域の中核医療機関として、新型コロナ患者118人も受け入れている。4日時点の感染者は病院関係者71人と患者143人、死者は9人。

 吉田病院(263床)では職員46人、入院患者108人など計173人が感染し、死者は24人。患者は主に全介助が必要な高齢者で、状況は深刻化している。

 吉田病院を巡っては、ホームページで「感染者の転院調整を強く要請してきたが、多くの患者が院内にとどめ置かれた」と旭川市保健所などの対応を批判。市を通じ、看護師20人以上の派遣や医療廃棄物撤去などを求めて自衛隊派遣を要請する事態となっている。加藤勝信官房長官は4日の記者会見で「自衛隊派遣は北海道庁からの要請を踏まえて検討する」と話した。

 旭川市の状況について、北海道医師会の長瀬清会長は「市内の病院は周辺地域の患者も診ており、旭川だけの問題ではない。逼迫(ひっぱく)状態というより、医療体制の崩壊に近い」と話した。厚生労働省はクラスター対策班と災害派遣医療チーム(DMAT)を旭川市に派遣し、他県からの看護師20人も1日から順次送り込んでいる。【源馬のぞみ】

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