レジストリクリーナーを使うのはやめて? 〜Microsoftがサポート文書で呼びかけ
近年はメリットよりもデメリットが目立つように
樽井 秀人2020年12月24日 06:55

 いささか旧聞に属する話ですが、Microsoftはレジストリクリーナーの類をWindowsで使ってほしくないのだそうです。

 レジストリはOSやアプリケーション、ハードウェアドライバーなどが設定を保存するデータベースです。レジストリを適切に扱わないアプリやOS機能があるとき、OSを長く使い続けるとパフォーマンスが低下したり、不具合が発生することがあります。それをワンクリックで調整し、無駄なデータがあれば削除して、システムのパフォーマンスを最適化しようというのがレジストリクリーナーです。

 しかし、OSやアプリケーションは外部のツールがレジストリを編集することを普通は想定していません。意図しない操作が行われるとシステムの安定性が損なわれる可能性もあります。たとえば、Microsoftは以下の副作用を挙げ、レジストリクリーナーに懸念を表明しています。

CPUの過剰な使用
起動時間やシャットダウン時間の延長
アプリケーションの機能低下
ランダムなクラッシュやハングアップ
クラッシュによりデータが正常に保存されず、壊れたり、失われる
 OSの内部ではシステムやアプリ、ハードウェアが複雑に絡み合っているため、レジストリの破損による影響の範囲を特定したり、原因を究明するのは困難になります。また、もしデータ損失がOSの重要なファイルで発生すれば、最悪の場合、OSが起動できなくなります。結局のところ、OSを再インストールするしか解決策はなくなるわけです。

 かつてはPCのリソース(CPU、メモリ、ストレージなど)が貧弱で、少しでも最適化してパフォーマンスを上げたいというニーズがありました。また、アプリケーション側もOSの作法を守らず、インストールやアンインストールでゴミデータを残したり、システムに悪影響を与えるものが少なからずありました。そういった場合、レジストリクリーナーの導入で一定の効果が見込めたのも事実です。

 しかし、最近のPCは十分なリソースがあり、無理な“最適化”を行わなくても十分なパワーがあります。また、OSやアプリケーションも日々の改善により堅牢になりつつあります(例外は常にありますが)。たとえばストアアプリであればレジストリの書き込みは仮想化されたハイブにリダイレクトされます。要するに変なレジストリ編集をしてもシステムに悪影響が及ぶことはありません。従来よりシステムクリーナーの重要性は大きく低下し、メリットよりもデメリットが目立つようになったのです。

続きはソースで
https://forest.watch.impress.co.jp/docs/serial/yajiuma/1297279.html