https://news.yahoo.co.jp/articles/0361bf7c299c2f6cbdabe4993e8efc4c0231c683

新型コロナウイルスの感染拡大への対応をめぐり、政府が新型インフルエンザ等対策特別措置法に関し、
2段階での改正を検討していることが31日、分かった。複数の政府関係者が明らかにした。
政府は1月召集の通常国会に、改正案を提出する方針を固めているが、収束後に国と地方の
権限の在り方にまで踏み込んだ抜本的な改正を検討する見通しだ。

国と都道府県との役割分担をめぐっては、現行では飲食店への休業や営業時間短縮、
外出自粛などの要請・指示は知事権限となっている。ただ、都道府県の対策について
「(政府は)総合調整を行うことができる」と定めており、これを根拠に政府は都道府県に影響力を行使している。

さらに総合調整について知事は政府に「意見を申し出ることができる」としている。
政府と知事との調整がしばしば難航するのは、こうした規定の曖昧さが背景にある。
都道府県の中には知事権限の強化を求める声がある一方、政府内には「現状の仕組みが望ましい」との意見も根強い。

収束後の改正論議としては、緊急事態宣言の発令要件の見直しも俎上(そじょう)に載る可能性がある。
小池百合子東京都知事は12月30日の記者会見で、感染状況の悪化が続けば「緊急事態宣言の発出を
要請せざるを得なくなる」と語った。

ただ、現行では発令には「全国的かつ急速な蔓延(まんえん)により国民生活や国民経済に甚大な影響を与える恐れがある」
などの要件を満たさなければならない。

昨年4月7日に初めて発令した際は7都府県を対象にしたが、これは7都府県での感染拡大が、
全国への蔓延に直結すると判断したためだ。今回政府が再発令しようとしないのは、
東京都だけ突出して感染が拡大しても、全国への蔓延に直結するとは言い切れないと判断していることが大きい。

政府は次期通常国会に提出予定の改正案に、休業や時短要請に応じた飲食店などへの財政措置を明記するなど、
要請の実効性を高めたい考えだ。1段階目の改正は急を要するものにとどまりそうだ。