2021年が幕を開けた。新型コロナウイルスの感染拡大は収まる兆しが見えず、初詣をはじめ新春の恒例行事は軒並み変更などを迫られている。人々からは新型コロナの早期収束を願う声が多く聞かれた。異例の元旦となった1日の各地の表情を伝える。

午前11時すぎ 温泉街は雪景色(岐阜県下呂市)

川沿いの温泉街は夜通し降り積もった雪景色に包まれた(1日午前、岐阜県下呂市)
人気の観光地で「日本三名泉」の一つとされる下呂温泉(岐阜県下呂市)では、マスクを着けて雪景色を楽しむ観光客らの姿がみられた。温泉宿が立ち並ぶ川沿いの温泉街は、夜通し降り積もった真っ白な雪に包まれた。

ある老舗旅館は年末年始の客室の予約が「ほぼ満室」という。東京から訪れた宿泊客の女性(58)は「新型コロナ対策もしっかりしていて安心。今年は温泉で『おこもり正月』を満喫したい」と話した。

午前9時 東京駅閑散 「やることなさすぎ」(東京・千代田)

人影のまばらな東京駅周辺(1日午前9時ごろ、東京都千代田区)
午前9時すぎの東京駅周辺は、行き交う人も少なく閑散とした雰囲気が広がった。1歳半の長女を連れて丸の内を散策していた東京都文京区の男性会社員(37)は、新型コロナ感染拡大の影響で愛媛県への帰省を自粛したといい「正月だけど、やることがなさすぎて娘を連れ出した。人も少なくて、ゆっくりできるのは良かった」と話した。


東京駅近くでは車の通りもまばらだ(1日午前9時すぎ、東京都千代田区)
午前8時半ごろ 明治神宮、間隔あけて初詣(東京都渋谷区)

間隔をあけて並び、手を合わせる人たち(1日午前8時26分、東京都渋谷区の明治神宮)
新型コロナ対策で夜通しの初詣の受け入れを取りやめた明治神宮(東京・渋谷)では、1日午前6時の開門時に訪れた初詣客は数十人ほど。例年に比べて人出は激減している。参拝客は間隔をあけて整列し、静かに手を合わせた。息子2人と訪れた都内在住の会社員、田村将之さん(42)は「子どもたちのためのイベントや行事が中止になってしまった。今年こそはコロナが収束してほしい」と話した。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQODG310OS0R31C20A2000000