菅義偉首相の誕生を受け、東京都の関係者が小池百合子知事との関係に気をもんでいる。新型コロナウイルスや東京五輪・パラリンピックへの対応など、都と国の連携が欠かせない案件が山積する中、両氏はこれまで対立を繰り返してきたからだ。


 2人の因縁は2016年の都知事選にさかのぼる。小池氏が自民党都連を「ブラックボックス」などと批判し、出馬を強行。菅氏は自民候補の応援演説で「劇場型の人に都政を任せられない」とやり玉に挙げた。


 菅氏は、税財源の偏在是正やふるさと納税など地方重視の政策を主導。都の税収を地方に再分配する方針に、小池氏が「都民の生活を脅かす」と憤ったこともあった。

 今年7月には菅氏が新型コロナ感染者の急増に絡み、「圧倒的に東京問題」と発言。小池氏は国の観光振興策「Go To トラベル」キャンペーンを挙げ、「冷房と暖房を両方かけること」とこき下ろした。


 互いをどう見ているのか。菅氏は9月2日の民放番組で「普通の関係」と説明。小池氏は14日、「意見の相違があるとは思っていない」と述べた。18日の記者会見では菅氏との面会予定を問われ、「新政権の方と連携を取ることは国にも都にも必要」と話すにとどめている。

 一方で変化も。小池氏は自民都連とも対立してきたが、16日には就任以来初めて同都連に要請活動を行った。来夏に都議選を控える中、自民都議は「われわれも知事も歩み寄りが必要だ」。

 関係改善の兆しに、都幹部は「知事が懇意の二階俊博幹事長の他にも、政権とのパイプを作るのが狙い」と解説する。それでも「トップ同士が不仲のまま、責任を押し付け合う事態にならなければいいが…」と心配していた。

https://www.google.co.jp/amp/s/www.jiji.com/amp/article%3fk=2020091900387&;g=pol