※読売新聞オンライン

文部科学省は、地元の振興に取り組む地方の国立大について、定員増を認める方針を固めた。原則、首都圏の1都3県以外に所在する国立大で、自治体や企業と連携することなどを条件とする。中央教育審議会で審議して正式決定し、対象校では2022年度から定員が増える見込みだ。

 13日の中教審大学分科会に条件案を示す。国立大は、授業料の「標準額」が年間53万5800円と私大より安価で、受験生の人気が高い。文科省は、国立大の定員が増えると私大の経営を圧迫するとして、1990年代以降、一部の特例を除き国立大の定員増を認めてこなかった。

 一方、地方の国立大を卒業しても地元での進路は限られており、卒業生が都市部に移るケースが多い。このため、政府は地方創生の観点から「まち・ひと・しごと創生総合戦略」に地方国立大の定員を増やす方針を盛り込み、文科省で具体的な要件を検討していた。

 文科省は、定員増を認める条件として、▽自治体と連携して、地元に就職する意思を示す学生向けの奨学金を導入▽近隣の大学とオンラインで共同授業を実施▽地元企業に学生をインターンシップ(就業体験)として派遣――するなど、若者を定着させ、地域を活性化させる事業に取り組む大学などに限る方針を決めた。

 地方大の定義は、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県を除く約70校とする方向で調整している。初年度は、数校程度の定員増が認められるとみられ、今夏頃から各大学の申請を受け付ける方針だ。

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