https://news.yahoo.co.jp/articles/73c7c7d2e30ada9492b61bf1673017a3c33956e8
 若者を中心に人気の動画アプリ「TikTok(ティックトック)」について、米国政府が懸念する個人情報が抜き取られるリスクが果たして存在するのか。朝日新聞がセキュリティー専門家とともにアプリを解析したところ、スマートフォンに保存された個人情報にアクセスをした形跡は見つからなかった。

【グラフ】TikTokが取得する情報と取得しない情報。2019年8月時点と2020年8月時点のアプリの変化

 ただ、過去のバージョンではスマホの所有者に結びつくような情報を取得していたことがわかった。全世界で月間8億人以上が使う人気アプリの実態は、どのようになっているのか。

 所有者に結びつくような情報とは、スマホの固有識別番号の一つである「MACアドレス」だ。米国政府が問題視する前の2019年8月時点のアプリを調べたところ、取得したMACアドレスから別のID番号を作り出していたことがわかった。

 アプリのMACアドレス利用をめぐっては、スマホのOS(基本ソフト)を提供する米グーグルやアップルがいずれも、スマホ所有者を特定する情報の一つとして利用を規制している。アプリは、その規制を回避する「裏技」的な手法でMACアドレスを取得していた。

 ティックトックを運営する中国バイトダンス社は書面での取材に対し、「現在はMACアドレスを収集しておらず、最新バージョンをダウンロードすることを勧めている」と回答した。(編集委員・須藤龍也、同・峯村健司)

朝日新聞社
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