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唐津Qサバ

ブランドサバ、水産会館……原発マネーで活性化?
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 佐賀県唐津市長選と市議選が24日に告示、31日に投開票される。今年は東京電力福島第一原発事故から10年となる年。隣の玄海町にある九州電力玄海原発は、市にどのような影響を与えているのか。

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 市は、玄海原発に絡む「原発マネー」を受け取り、様々な事業に活用している。その一つが、市と九州大が共同開発したブランド魚「唐津Qサバ」だ。市は、水産業活性化支援センターなどで育てた稚魚を、無償で養殖業者に提供してきた。

 この原発マネーは、玄海原発のプルサーマル発電に絡む、国からの「核燃料サイクル交付金」。原資は、電力利用者が支払った電気料金だ。

 市が2011〜16年度にもらったのは、計15億円。全額を「水産業活性化支援事業」の費用にした。このうち約5億9500万円が、Qサバを中心にウマヅラハギ、ケンサキイカなどの研究用基金。19年度は、稚魚の無償提供分に3億3千万円の一部を使った。

 しかし、交付金の使用期限はこの年度までだったという。20年度分は市の一般財源を使ったが、21年度からは有償にする。

 市水産課によると、稚魚を渡す時期は毎年4〜6月。受け取る側となる同市呼子町の養殖業者、坂本進一さん(67)は、一昨年から有償化を知らされていたといい、「ギリギリの生産価格でやっているところに厳しい」と話す。ただ、原発マネーが絡んでいたことは知らなかったという。

 市は11〜14年度、水産業活性化支援センターの建設や備品などの費用にも、交付金計約6億5千万円を費やした。さらに19年度までは、研究用基金から年間4千万円前後、九大への委託料にも使ってきた。

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