※読売新聞

 経営するゲイバーの売り上げを隠して法人税計約6400万円を脱税したとして、東京国税局が、飲食店経営会社「HYフィールド」「HY PLUS」(いずれも東京都新宿区)の2社と両社の社長(38)を法人税法違反の疑いで東京地検に告発していたことがわかった。

 2社は、ゲイバーが多く集まる新宿区の「新宿2丁目」で、「グレート」「イクシード」「ハピネス」の3店舗を経営。観光客を中心に人気を集め、売り上げは年間約5億円に上っていたという。関係者によると、社長は経理を担当していた親族の女性や男性役員に指示し、3万円以上の伝票を抽出して数千円の伝票につくりかえる手口で売り上げを除外。2019年までの3年間で、計約2億6800万円の所得を隠した疑いが持たれている。

 元の伝票はすぐに処分されていたが、昨年2月に開始された同国税局の査察(強制調査)で、経理作業に使われていたパソコンのデータから元の伝票の内容を反映した「裏帳簿」が見つかった。歩合制の従業員の給与を算定するため、裏帳簿を残していたという。

 隠した所得は、社長名義の約2億円分の有価証券や暗号資産のほか、マンションの購入費に充てられていたとみられる。取材に対し、社長は代理人弁護士を通じ、「修正申告と納税は済ませた。大変な過ちを犯してしまい、反省している」と回答した。

2021年1月28日 15時0分
https://news.livedoor.com/article/detail/19605498/