米ニューヨーク市内の中南米系住民が多い地区で、新型コロナウイルスワクチンの接種に外部から多数の白人が押し寄せていたことが分かった。
ニューヨークのワシントンハイツ地区は中南米系の住民が多く、新型ウイルス感染拡大で特に大きな打撃を受けてきた。

ワクチン接種は14日から地区内の陸上競技場で始まり、州内在住の65歳以上が対象とされた。
クオモ知事は接種開始にあたり、ニューヨーク・プレスビテリアン病院などと協力して、非白人の住民が取り残されない態勢を目指すと表明していた。

ところが現場の医師らによると、接種を受けた第1陣は、同地区以外の州内各地から集まった白人が圧倒的に多かったという。
デブラシオ市長は29日のオンライン会見でこの状況について、「本末転倒もはなはだしい」と怒りをあらわにした。

市議らの指摘によると、接種の申し込みには登録や審査の手続きが必要で、
英語が話せなかったりインターネットを使えなかったりする住民には対応していない。

23日に会場入りした医師は、当日接種を受けた約2400人の大半が地元住民ではなかったと指摘。
「ワシントンハイツであんなにたくさん白人の姿を見たのは初めてだ」とツイートした。

同医師は、当日受け付け制を設けて地元住民枠を確保し、手続きを支援するといった対策が必要だと主張した。

CNNが先日、米国内の14州を対象に実施した調査でも、ワクチン接種率は白人の平均4%に対し、黒人では1.9%、
中南米系は1.8%にとどまるとの数字が出ていた。

ニューヨーク州などではワクチンの供給不足が伝えられ、格差がさらに深刻化することも懸念される。
https://www.cnn.co.jp/usa/35165825.html