日刊ゲンダイ(取材・文=伊藤洋次)公開日:2021/02/04 06:00 更新日:2021/02/04 10:23
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/284751

「授業のオンライン化で浮き彫りになったのは、普段から落ち着いて勉強に取り組めているお子さんにとって、コロナの影響はほとんどなかったことです。なかには、普段の授業は先生の話や板書が早すぎてついていけなかったのが、何度も繰り返して授業が見られた分、オンラインの方が理解しやすかったと話すお子さんもいました。一方、やらされ感のあったお子さんは勉強のペースが落ちていました」

 と話すのは、プロ家庭教師集団「名門指導会」代表の西村則康さん。今年も中学入試がピークを迎えているが、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業が取り入れられるなど学習環境に変化があった。これから新学期に向けて塾の広告を頻繁に目にする時期になるが、昨今は子供の受験に熱心な父親が増えているという。

「塾への送り迎えだけでなく、学校選びから学習状況まで、お母さん任せにせずにお父さんも一緒になって真剣に向き合っている印象があります」

■中高で偏差値が10以上違う理由

 こうした熱心な父親に影響を与えているのが、中学受験特有の偏差値だという。

「高校受験と中学受験では、同じ系列校でも偏差値が10は違います。高校の場合、中学受験で入学した集団がすっぽり抜けて残りの大半が受験しますが、中学の場合、受験を選択するお子さんは絞られるために起こる現象です。地方出身者に限った話ですが、偏差値70程度の地元のトップ公立高から一流大学を卒業したお父さんとお話ししていると、中高の偏差値の違いが受験する母集団の違いからくるものだと頭では理解はしていますが、自分の子供が偏差値50程度の学校に行くことに我慢できない人が多いように感じます」

 大学付属校の偏差値で見ると、慶応義塾は高校が76、中等部が64。早稲田実業は高校が76、中等部63、青山学院は高等部が72、中等部が57と10以上違う(「みんなの高校情報」「みんなの中学情報」から)。進学校の中には中学受験だと偏差値50程度のところもあるが、地方出身の父親にとって50という数字が引っかかるという。

「例えば、東京に城北という私立の進学校があります。ここの中学校は大手進学塾サピックスの偏差値だと50程度です。高校になると偏差値は70を超えていて、地方の公立トップ高並みに進学実績がよかったりしますが、それでもお子さんの受験を躊躇するお父さんもいます」

 城北高校の2020年の大学合格実績は東大8人、京大9人、東工大8人、一橋大5人のほか、慶応85人、早稲田132人という結果だ(ホームページから)。

 中高一貫の進学校の多くは中2までに中学校の全学習を終え、高3の1年間はまるまる受験に充てられるため、大学受験で選択肢を広げたいお子さんにはおすすめだと西村さんは話す。

★1 2021/02/04(木) 11:07
【教育】子供の中学受験「偏差値50」の壁…陥るのは地方トップ公立校出身の父親
https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1612404460/
(日刊ゲンダイの記事が見つかりましたので、スレタイを原題にします)