IOC「森氏の決断尊重」 多様性重視訴える―IPC

 【ロンドン時事】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は12日、女性蔑視発言の責任を取って辞意を表明した東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長について、「IOCは決断を全面的に尊重し、その理由を理解している。過去数年間、延期された東京大会の開催に向けて多大な貢献をしたことに感謝する」と声明で述べた。
 組織委が新会長選出に向けた候補者検討委員会を設置する点については、「選手の代表を含む男女同数のメンバーを選ぶ、透明性のある取り組みを支持する」とした。
 東京大会の準備状況を監督する責任者のジョン・コーツIOC調整委員長も「8年間の共同作業を通じて、森会長は強力かつ効果的なリーダーであり、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)という最も困難な状況下で解決策を見つけるための信頼を置けた。彼の支援と決断に感謝したい」とコメントした。森氏は12日の組織委「合同懇談会」あいさつで、前夜にバッハ、コーツ両氏と電話会談し、ねぎらわれたと明かしている。
 また国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドルー・パーソンズ会長も声明を出し、森氏に謝意を示すとともに、「今回の国内外の反応を生かし、ジェンダーだけでなく、人種や性的嗜好(しこう)、障害者の多様性を社会が重視するようになることを心から願う」と述べた。
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