朝日新聞2021年2月20日
https://www.asahi.com/articles/ASP2N62WNP2BUTIL04Z.html

 JR東日本が京浜東北線などの首都圏の路線で、長編成の列車のワンマン運転を検討していることが、関係者への取材で分かった。2024年度以降、必要な機能を車両に導入していく方向で、具体的な開始時期は今後詰める。人手不足への対応などが理由で、安全の確保が課題となる。

 JR東関係者によると、24年度以降、ワンマン運転に対応する機能を付けた車両を、京浜東北線(10両編成)と横浜線(8両編成)に導入する方向性を社内に周知した。

 さらに、首都圏以外でも、宮城県内を走る仙石線をはじめ、長野県松本市や甲府市、群馬県高崎市のそれぞれ周辺などでも、3〜6両編成のワンマン運転に必要な機能を車両に備える考えを伝えた。

 具体的には、運転席からモニターで乗降客を確認できるシステムや、列車の発車から停車までを自動制御する「自動列車運転装置(ATO)」の配備を進める方針。新型コロナウイルスの感染拡大で乗客減が長引いている影響もあり、車両の導入時期などは変わる可能性がある。

 JR東によると、同社管内のワンマン運転は、国鉄時代末期の1986年ごろから広まった。宮城県の仙台空港アクセス線(最大6両編成)を除き、1〜2両編成の地方ローカル線への導入が進められてきたが、20年3月のダイヤ改定で、5両編成でのワンマン運転が東北線黒磯―新白河間で始まった。

 現在は在来線66路線中、東北や北陸を中心に36路線でワンマンが導入されている。21年3月には茨城県などを走る水戸線でも5両編成でワンマンが始まる予定だ。

 ワンマン運転を拡大している理由として、JR東は人口減少を背景とした現場の人員の減少や、ワンマンを可能にする情報処理技術の発達を挙げている。

 同社の資料によると、55歳以上が全社員の2割以上を占め、社員数も年々減少している。2012年からの6年間だけを見ても、運転士と車掌の人数は約5%減っている。

 安全面や負担増で懸念の声
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