宣言解除に“だんまり”でも、「飲食いじめ」には強権発動だ。

 東京都が時短営業要請に応じない複数店舗に対し、改正新型コロナ特措法に基づく時短営業の「命令」を出す。対象店舗には既に事前通知の文書を送っており、18日にも命令に踏み切る。

 命令は全国初で、正当な理由なく拒否した店には最大30万円の過料を科すこともできる。ただ、緊急事態宣言の期限まで残り3日。菅政権が全面解除の方針を打ち出す中、小池都知事の「駆け込み命令」にはヨコシマな意図を感じる。

「このタイミングでの強権発動は、まず菅首相への当てつけ」とみるのは、ある都庁担当記者だ。こう続ける。

「小池知事は不仲の菅首相と対峙する上で、首都圏3県知事との『ワンボイス』が整わず、いら立ちを隠せません。だったら都が単独で宣言延長を望む約6割の世論を巻き込み、“やってる感”をアピール。暗に『解除はまだ早い』とのメッセージを菅首相に突きつける腹積もりでしょう」

 解除の可否判断には言質を与えず責任逃れ。この先、経済が回り出せば「無言」を貫き、再び感染が拡大すれば「都はやるべきことはやった」と時短命令をアピール。「それ見たことか」と政権を牽制し、世論を味方につける――。“政局の鬼”の魂胆はそんなところだろう。

「経営逼迫」は要請拒否の正当な理由に該当しないとは血も涙もない。ペナルティーをくらう飲食店は災難だ。

■新規感染140人以下の目安「蒸発」

 17日の都内の新規感染者数は409人。400人超は約1カ月ぶり。9日連続で前週同曜日を上回り、直近1週間平均の感染者数も約299人と前週比12・7%増。小池氏が掲げる「前週比7割(3割減)」の目標には程遠い状況だ。

 2月2日の会見で突然、宣言解除の「目安」として「3月初旬に1日あたり140人以下」とブチ上げたのは、誰あろう小池氏だ。

 感染者数が下げ止まった途端、この高いハードルの話題を避け続け、解除要請の「基準値」にしようと検討しながら結局、見送った。

 その理由も「数字に縛られ過ぎる」「自分たちの首を絞めることになる」と朝日新聞は報じた。つまりは単なる保身。コロナ無策の“女帝”の責任棚上げは決して許されない。


https://i.imgur.com/OfxdwCy.jpg

3/18(木) 15:00
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20210318-00000029-nkgendai-life