※NHK

昭和5年に神戸市の摩耶山の中腹に建てられた施設で、使われなくなって荒れ果てたあともその外観の美しさから全国のファンに「廃虚の女王」とも呼ばれている「旧摩耶観光ホテル」が国の登録有形文化財に登録されることになりました。

国の登録有形文化財に登録されるのは神戸市灘区にある「旧摩耶観光ホテル」です。

標高702メートルの摩耶山の南斜面の中腹昭和5年、企業の福利厚生施設として建てられました。

ケーブルカーの駅のそばにあり、神戸の街を一望できる立地から多くの人でにぎわい、戦後は結婚式会場やレストランを備えた観光ホテルや学生向けの合宿所として平成5年まで利用されてきました。

鉄筋コンクリート造りの地上2階、地下2階建ての建物は、それぞれの階にめぐらしたひさしが曲面を強調し舞台や洋室にはアールデコ調の意匠を凝らしていて、摩耶山がリゾート地として栄えた歴史をうかがい知ることができる点などが評価されました。

平成7年の阪神・淡路大震災で被害を受け、老朽化により荒れ果て廃虚となったあと映画のロケ地になるなど注目され、所有者と地元のNPOが連携しクラウドファンディングで資金を集めて防犯設備を導入するなど保存に向けた取り組みを行ってきました。

優美で神秘的なたたずまいから、全国のファンに「廃虚の女王」とも呼ばれ「マヤカン」の名前で親しまれて本やインターネットで紹介されたため魅了された人も少なくなく、地元の住民たちが開く周辺の見学ツアーには県外から訪れる人もいる人気のイベントとなっています。

「旧摩耶観光ホテル」をめぐっては、平成27年から所有者と近代化遺産の記録や活用を推進する神戸市のNPO「Jーheritage」、歴史的な建造物の発掘や保存に取り組む神戸市のNPO「ひょうごヘリテージ機構H2O神戸」が建物の保存と安全な観光を図る活動を行ってきました。

そして、平成29年にはクラウドファンディングで700万円余りを集め、その資金をもとに建物の測量などの調査と、防犯や雨漏り対策などを行いました。

また、地元の住民などでつくる「摩耶山再生の会」は所有者の許可を得て平成29年から「旧摩耶観光ホテル」の周辺と、かつてあった寺院や茶屋の跡をめぐる「摩耶山・マヤ遺跡ガイドウォーク」を開催し、県外からも参加者があるなど人気を集めています。

こうした地元での盛り上がりを受け、神戸市の外郭団体の「神戸観光局」が去年7月から公開している観光案内のサイトでも取り上げられました。

この「神戸で“海外旅行”」のサイトは新型コロナの影響で不要不急の外出の自粛が求められる中、神戸市内で見ることできる風景を世界の12の国や地域の観光地などに見立てて掲載し「神戸にいながら海外気分を味わってもらおう」と企画されました。

以下ソース先で

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_04.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_05.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_06.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_07.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_08.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191745_2103191910_01_09.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/K10012924151_2103191650_2103191910_01_10.jpg

2021年3月19日 17時15分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210319/k10012924151000.html?utm_int=all_side_ranking-social_001