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2021/03/29(月) 10:19:05.42ID:6VGkTNuu9最初の感染確認は昨年12月21日。職員が風邪の症状を訴え、抗原検査で陽性が判明した。職員が接した入院患者を検査したところ、患者1人が感染。黒田医師は「昨年3月ごろから検査をし、ウイルスを持ち込まないように努めていたので、まさかと思った」と話す。県などの発表によると、12月26日に患者と職員の感染は110人に。「患者の交流が多く、気付かない間に拡大した」とする。
感染確認前は、密集を避けつつ院内の「生活訓練棟」に多くの病棟の患者が集まり、日常生活に戻るための訓練を実施。各病棟には談話や食事をする「デイルーム」(約50人収容)があり、患者同士が接する空間が、他の病院よりも多い。看護師らも介助のために患者に密接する必要があり、人が交じり合うことが爆発的に広がった要因とみている。
感染した患者は体調の悪化を言葉で伝えられなかったり、自分では分からず部屋から出歩いたりする。マスクを嫌がり、手指消毒用アルコールも誤飲の恐れから設置できない。病棟内を「レッド(感染)ゾーン」として区切っても、感染、非感染の患者が出たり入ったりしたため、机や卓球台のバリケードを設けた。
看護体制の維持が困難になり、最大約20人の看護師らで受け持っていた病棟は、10人程度に減少。常勤の看護師が夜勤と日勤を繰り返し、掃除や排せつの介助などの業務も担った。
感染拡大を防ぐため、病棟間の職員の移動を制限。自身が感染から回復した看護師らは抗体を持っているとの前提で、感染が広がる病棟で看護。村岡部長は「人繰りが苦しく、そうするしかなかったが、できることを頑張ると言ってくれた」と話す。
昨年12月31日から今年1月25日までは、国際的な医療支援活動を担う認定NPO法人「ジャパンハート」(東京)から看護師計6人が派遣され、看護や院内感染対策に取り組んだことが収束への転機に。精神科病院は手術がないため、職員らは防護服の着脱や処分方法から学んだ。村岡部長は「(感染防止のため)看護師が患者と接する機会を減らさなければならず、看護ができない無力さを感じた」と明かす。1月9日〜3月15日には新たに明石こころのホスピタル(明石市)からも看護師計6人の支援を受けた。
2月6日以降、感染は確認されていない。村岡部長は「当初は助けがなく、本当に孤立していた。人員がないと患者と接する職員の感染リスクも高まる。現場の頑張りと支援はありがたかった」と話した。(門田晋一、井川朋宏)
■職員、家族に「ばい菌のような扱い」
東加古川病院ではクラスターへの対応に追われる中、職員やその家族が、深刻な誹謗(ひぼう)中傷や風評被害を受けた。
院内の部屋や車で泊まった職員は最大約50人に上った。勤務中、食料を買いに行く暇がなく病院への出前を頼んでも断られ、一部ホテルからは利用を拒否された。
ある職員は家族から「退職しないと絶縁する」と告げられた。また、別の医療機関に通った職員は、診察券の受け渡しに洗濯ばさみを使われたという。
誹謗中傷は家族にも及んだ。小学生の子どもが終業式に出席しないように言われたほか、職員の配偶者が勤務先から出勤しないよう求められた。
同院の黒田優医師は「理解できないわけではないが、ばい菌を扱われるような感じだった」と不快感をにじませた。
(井川朋宏)
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