骨上げ前に遺骨を紛失 遺族、宇治市を提訴 動画
読売テレビ2021.03.30 19:07
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 京都府宇治市の斎場で、火葬した遺骨を誤って紛失させたとして、遺族が斎場を管理する市を提訴していたことが分かった。

 昨年、90代で亡くなった女性の遺族が30日、京都市内で記者会見した。この中で遺族は「親の骨が無い。父親が眠っているところに入れてあげられない。大変困ってます」と語った。

 訴状によると、90代女性は昨年11月に亡くなり、遺体は宇治市が管理する斎場で火葬された。遺族は棺が乗っていた台車を確認したが、白い粉のようなものが残っているだけで、遺骨として集められるような状態ではなかったという。

 斎場を運営する業者は、骨上げを行う前に、遺骨を誤って機械で吸引。他の遺骨や遺灰と混ざり、女性の遺骨を紛失させたという。

 遺族は今月5日、斎場を管理する宇治市に3300万円の慰謝料を求めて提訴した。

 遺族は、これまでに謝罪をしていないとして、宇治市に誠意ある対応を求めている。

 遺骨を紛失するというありえない事態だが、京都市内の別の斎場では「火葬から骨上げまでの流れは、斎場によって異なる」としたうえで、遺骨の紛失や取り違えを起こさないための対策を講じている。

 京都市保健福祉局の酒井庸充さんは「収骨が終わると、こちらの札を取っていただいて(『収骨済み』という札をさす)この時点で肝心なのは、ご遺族さんが収骨が終わったという意思確認。意思確認をした上で残った遺骨を下げる」と語る。

 宇治市側は、遺族に対し「ご遺骨をご遺族様にお返しする際の不手際」だと説明しているという。また、宇治市は読売テレビの取材に対し「訴訟に関わるのでお答えできない」とコメントしている。