https://news.livedoor.com/article/detail/20030093/

まるでタイムカプセル――。南極大陸で50年以上眠っていたコカ・コーラ缶とロッテのクールミントガムが2020年9月、
日本の南極地域観測隊の越冬隊によって発見された。いずれも当時の観測隊が食料として持ち込んだもので、
現在では残っていない貴重なデザインだ。日本に戻ってきた缶とガムを両社に贈呈するセレモニーが15日、
国立極地研究所(東京都立川市)であり、半世紀を経た「帰還」を関係者らが祝った。

発見したのは、19年11月〜21年2月に活動した第61次観測隊越冬隊。昭和基地から東へ約5キロ離れた
「向岩」と呼ばれる場所で、地殻変動の観測のルートを作る作業をしていた隊員4人が、
「非常食」と書かれたダンボール箱が雪に埋まった状態で置いてあるのを偶然見つけた。
中には、コカ・コーラ缶やクールミントガムのほか、煮物の缶詰とみかんの缶詰などが入っていた。
持ち込まれた時期は不明だが、日本で初めて缶入りコカ・コーラが発売された65年当時のデザインだったため、
この時期に活動した第7次観測隊以降の隊員が持ち込んだとみられるという。

缶は同社にもすでに現物は残っていない貴重なもので、プルではなく缶切りで開けるタイプ。
赤地に黄色の文字で縦書きで「コカ コーラ」と書かれている。ガムも60年に誕生した初代のデザインで、
緑の包装に黄色く欠けた月と南極のペンギンが描かれている。ロッテによると、クールミントガムはそもそも、
南極地域観測隊がロッテに依頼して開発された商品だといい、当時から南極にちなんだデザインが採用されたという。
ロッテは、南極で長期間保存されたガムがどういう状態にあるのか、同社の中央研究所で詳細に分析するという。

この日は、第61次隊の越冬隊が南極から持参したコンテナに入ったコカ・コーラ缶とクールミントガムを、
青山雄一隊長が両社の関係者に手渡した。受け取った日本コカ・コーラマーケティング本部の佐々木章乃さんは
「発見のニュースを聞いて非常に驚き、うれしかった。会社に持ち帰り、早く実物を見せてあげたい。
米アトランタにあるコカ・コーラの博物館にもぜひ展示したい」と話した。

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