まず、電池というのは正極と負極と電解質の組み合わせでできている。正極と負極でエネルギーが決まり、電解質が抵抗になる。
電池は発明されてから長い期間、電解質には水溶液を使っていた。それが有機溶媒系に変わったのがリチウムイオン電池だ。
これで使える電圧が一気に上がり、エネルギー密度(体積や重量あたりの容量)は格段に高まった。

次のステップとして、多くの人々がリチウムイオン電池を超える電池を作ろうと試みており、1つの可能性として固体電池がある。

エネルギー密度は基本的に正極と負極で決まるので、電解質が固体になったからといって、基本的にそんなに変わるわけではない。
(電解質を)固体にするメリットとして期待されたのは、まず液漏れがしないことだ。有機溶媒は液漏れすると揮発性で着火して危険なので、それがなくれば電池がバッと燃えることもなくなるだろう、と考えられる。

さらに積層が可能になる。正極と負極の間の電解質が液体だと積層できない。固体にすると積み重ねることができるので、パッケージにした場合にエネルギー密度が上がるというメリットが考えられる。


2021/04/21 10:00
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