https://www.vogue.co.jp/celebrity/article/kamala-harris-interview
 歴史に名を刻んだのは最初の一歩。カマラ・ハリス副大統領の前には途方もない大仕事が待ち受けている。
彼女はバイデン大統領とともに、どのようにしてアメリカの再生をうながすのか。
ジャーナリストのアレクシス・オケオウォがハリスの生い立ちから、現在、そして未来への道のりについて聞いた。

ほんの数カ月前、アメリカ合衆国はフリーフォール(垂直落下)状態にあった。覚えているだろうか。
大統領選挙の結果がどちらに転ぶかはだれにもわからず、失業率は記録的で、ホームレス問題は悪化の一途をたどり、新型コロナウイルス感染者数は急増し、
冬期ロックダウンは避けがたかった。
そんななかで、着々と礼節を重んじる選挙活動を続けてきたカリフォルニア州上院議員カマラ・ハリスと元副大統領ジョー・バイデンが、勝利が確実視されていた州と
そうでない州で次々と勝利を収めた。前代未聞の高投票率と、ペンシルベニア州とジョージア州に押し寄せた郵便投票の大波のおかげである。
バイデンは8000万票以上を獲得したが、これは史上どの大統領候補よりも多い。
こうした勝利にもかかわらず、ハリス、バイデン、そして我々は、バイデン陣営が選挙に勝利したというニュース発表が出るまでに約1週間待たなければならなかったし、
連邦政府が政権移行を正式に承認するまでさらに2週間待たされた。
そのあいだドナルド・J・トランプ大統領は敗北を認めず、支持者たちに自分は選挙に勝利したと言い続け、不正行為があったと主張し、多くの州に集計のやりなおしを求めていたのである。

56歳のハリスにとって、このような長期戦は2度目である。
※略

ハリスの両親であるゴーパーランと経済学を専門とするジャマイカ生まれのスタンフォード大学名誉教授ドナルド・ハリスは、公民権運動がさかんだったころに
カリフォルニア大学バークレー校で若き大学院生同士として出会った。ハリスは政治活動を行っているおじやおばたちに囲まれて子ども時代を過ごしたという。
「あのころはベビーカーでデモに参加していたとよく冗談を言うの」ハリスはそう説明する。
「『ブラック・ライヴズ・マター』、私たちが夏からいままでずっと目の当たりにしてきたこのムーブメントはあの公民権運動の延長なのよ」。
ハリスは犯罪率の高い地域が犯罪の原因に対処できるように支援したいという。
すなわち、低所得世帯の多い学区への「初等中等教育法タイトル1事業資金を3倍にする」(初等中等教育法タイトル1事業とは、1965年に制定された
初等中等教育法第1章に記載されている連邦政府の教育支援事業)。そして公立学校の財源を地方自治体の税収だけに頼るのをやめる。
それでもっとも痛手を受けるのは貧困家庭の子どもたちだからだ。
しかし、両親とブラック・ライヴズ・マターとのつながりにもかかわらず、ハリスは警察予算を削減して社会保障費にと要求する改革活動家たちに賛同はせず、
治安維持のために警察予算の維持は不可欠という態度を崩していない。
※略

大統領選挙がきっかけとなり、中道派の有権者に迎合することで政権を獲得する実用主義と、あくまで急進的な変革を推し進めるべきと考える者たちの論争が
国中で巻き起こった。多くの人々にとって、じつはこのふたつに違いはないのではないかとハリスは言う。
「耳ざわりは悪いかもしれないけれど、問題は山積みであり、私たちはそれらについて真実を語らなければならない。性的暴行があったり、性的いたずらをされた子がいたり、
殺人事件が起こったりすれば、どんなコミュニティだってそれに対処してくれる警察官が必要なはずよ。
また、私たちはマリファナを非犯罪化し、その前科を抹消しなければならないことを知っている。私には見当違いの選択肢をやすやすと受け入れるつもりはないの」
そう彼女は語る。
「圧倒的多数の国民は、さまざまな事実を見て、真実を告げられれば、我々に必要なのは警察活動の改革であって、我々には警察官が必要だということに同意するはずよ!」
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