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4月中旬、ファーウェイが開発した自動運転システム「ADS」を上海の公道で体験することができた。以下はそのレポートである。

■ 高レベルの自動運転技術で市街地自動運転を実現
体験用車両は中国の自動車大手「北汽集団(BAIC)」が開発した「ARCFOXαS」で、この車は世界初のADS搭載の量産型市販車となる。

体験中、運転席にはセキュリティスタッフが同乗し、公道に入ると自動運転モードに切り替えた。体験中は車載インフォテイメントシステムのモニターに、センサーが検知したデータがリアルタイムで表示され、なぜこの走り方をするのかがわかるようになっている。

ADSは交通状況によってルートを変更することができる。たとえば前方の車両が遅く、且つ追い越し車線が空いている場合、ADSは自動的に車線変更し、追い越しができるようなっている。これは単一車線での走行を前提とするL2の自動運転よりも高度な機能だ。

信号の識別においては、ファーウェイが収集した地図データを活用し、どこに信号があるのかを把握した上で、遠くから信号を検知する。体験は3回行われたが、信号識別のミスは一度もなかった。

しかし、ADSは信号の色しか識別できず、テスラの「FSD」のように矢印信号や数字のカウントダウンに対応できない。今後のアップデートでテスラと同等の機能が追加されるという。

■ 人間による介入なしで複雑な交通状況に対応
すでに高速道路での条件付き自動運転車両が市販されているが、市街地の複雑な交通状況では使用できない。それに対し、ADSは今回の体験で遭遇した急な割り込みに対し急ブレーキを踏むことなく、ベテラン運転手のように緩やかに速度を落として対応した。矢印信号のない交差点での左折では、直進車両の速さと距離を的確に判断し、スムーズに通過できた。

通常の車両と異なる速さや軌跡で移動する物体への対応も的確だった。路肩に大きなリヤカーを引いた人がいたときは適度な距離をとって避け、道路の真ん中でUターンするために切り返しをしている車に遭遇したときも、相手のUターンが終わるまで停止して待っていた。

3回の合計体験距離は36キロで、時間にして100分ほど。人間による介入やシステムエラーは一度もなかった。

もちろん、これをもってADSが絶対にミスしないとは断言できない。さらにデータを集め、改善することが必要だ。だからファーウェイはL2自動運転以上の実力を持つADSを、あえてL2として量産化させたのである。

■ まずは大都市から

ファーウェイのスマートモビリティ製品担当総裁によると、ADSには高精度な地図が不可欠なため、年内はまず地図データが揃っている北京、上海、広州、深センでADSを使用できるようにし、その後は3カ月ごとに対象都市を追加する予定だ。

しかし、そのスピードでは全国に広げるまでに気の遠くなるような時間がかかる。また、都市開発に伴う地図の変更への対応も必要だ。そこで、ファーウェイはADSに地図を自動で作成する機能を持たせている。ADS対象エリア外では、走行しながらデータを収集するようになっており、十分なデータが集まれば、ADSが使用できるようになる仕組みだ。

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