大阪市で市内の75歳以上の高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種の予約受け付けが17日から段階的に始まる。集団接種は電話かインターネットで予約する仕組みだが、ネットに不慣れな高齢者や外国人を想定して、生野区の一般社団法人がサポーターを募集している。予約を手伝うと、謝礼として区内で食事が無料でできるチケットがもらえる。

「ワクチン接種いくのに応援プロジェクト」と題した取り組みを始めたのは、生野の活性化をめざす一般社団法人いくのもり。仕組みはこうだ。

 まず、高齢者らの予約を手伝いたい人は、いくのもりのLINEの公式アカウントに事前登録する。そうすると、LINEにサポートする会場や日時が届き、ボランティア保険加入のため氏名と年齢を伝える。その後は実際に会場で予約を手伝う。いくのもりは、サポート会場として使える区内の企業や店舗なども募集中だ。個人でサポートした人は、区内の指定の店で無料で食事ができるチケット1枚がもらえる。

チケットは元々、いくのもりが今年1月から始めた「おごるぜ!チケット」という取り組みで、コロナ禍で苦しむ飲食店と、生活に苦しむ人を支援することに賛同した人が自分の分と別にもう1食分のお金を払うというものだ。生活に困った人たちが店でチケットをもらえば無料で食事ができる仕組みを、今回はサポートの謝礼に充てる。

 いくのもりは、SNSや口コミで予約サポートの情報を広める「情報発信サポーター」も募集する。代表理事の木村和弘さん(53)は「ワクチン接種の予約がちゃんとできるか不安な人は多いはず。安心や希望、生野らしい人のつながりで乗り越えたい」と話す。

 詳細は、いくのもり(3・0052)か「いくのぐらし」(https://ikunogurashi.com/別ウインドウで開きます)。(細見卓司)
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