架空番号でも予約できる一方、正しい番号を入力してもエラー。防衛省が運営する新型コロナウイルスワクチン東京大規模接種センターは、インターネット予約システムに次々欠陥が見つかったが、さらに「勝手に予約が消える」ケースもあることが分かった。24日からは実際に接種が始まったが、現場で混乱は起きないか。(石井紀代美、大村歩)

◆防衛省「システムのことは分からない」

「間違いなく、確かに予約したのに、なぜ?」。東京都世田谷区の男性(66)は20日、パソコンの画面を見て愕然とした。防衛省の予約システムで自分の予約履歴を確認できる「マイページ」内が、何も記載されていなかったからだ。

男性は、予約受け付けが始まった17日当日に、区から送られてきた接種券番号、市区町村コード、生年月日を入力、認証されて、30日午前9時半からの枠で予約を済ませた。念のため、18日に再びマイページで予約を確認し、画面をスマートフォンのカメラで撮影した=写真(1)。

だが、架空番号でも予約できる欠陥が報道され、不安になって20日にもう一度マイページを開くと、何も記載がなくなっていた=写真(2)。実際にキャンセルをした場合は、履歴がマイページに記載されるので、誰かが男性の番号でキャンセルしたことはあり得ない。もちろん男性自身もキャンセルしていない。つまりシステム内で予約が「蒸発」したわけだ。

それ以前に、男性の妻(66)は正しい番号を入力しても認証されず、予約が取れていなかった。あまりにおかしいと思い、防衛省に電話すると「システムのことはこちらで分からない」「現時点で予約がないなら再予約してもらうしかない」と言うのみだったという。

2021年5月25日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/106346