京都市は25日、企業の破産にあたる「財政再生団体」に2028年度にも転落する恐れがあるとして、21〜25年度の5年間で計約1600億円の収支改善に取り組む行財政改革案を公表した。将来の借金(市債)返済のために積み立てた基金で赤字を穴埋めする会計手法が限界に陥り、財政運営の抜本的見直しを迫られることになった。

 改革案の内訳は、全職員対象の給与カット(最大6%)や職員数削減(550人)で215億円、事業や補助金の見直しなどで721億円、土地売却117億円など。対象の事業や補助金は今夏までに詰める。

 門川大作市長は取材に、「国基準や他都市の水準を上回っているものは、聖域なく見直したい」と述べた。

「将来負担の重さ」ワースト1位

 市の財政は危機的だ。

将来見込まれる借金などの負担の重さを示す「将来負担比率」は191・1%(19年度決算)と、全20政令指定都市の中でワースト1位。収入規模に対する借金割合の「実質公債費比率」もワースト4位の10・4%(同)だ。市債残高は1兆3424億円(同)で市民1人当たりの負担額は、2番目に大きい。

 借金増大の要因の一つは、1997年に開業した市営地下鉄東西線にある。

 工費が高騰したバブル期に建設を続け、事業費が当初想定の1・4倍(5461億円)に増加する一方、利用客は当初見込んだ1日約18万4000人に一度も達したことはない。

 地下鉄事業は営業収入を支出にあてる特別会計で営むのが原則だが、京都市では、営業収入だけでは収支が成り立たず、2004〜17年度に計967億円を一般会計から補填(ほてん)した。

手厚い市民サービス・高水準の職員人件費
 公共事業の支出が財政を圧迫する中、手厚い市民サービスは維持した。

 70歳以上の市民が無料か低料金で市バス・地下鉄を使える「敬老乗車証(敬老パス)」は、1973年度の約3億円から2019年度は対象者の増加で50億円まで膨張。市民1人当たりの公費負担(3392円)は同様の制度のある13政令市中、2番目に高い。

 ほかにも、小学生の虫歯治療費の全額助成事業を1961年から、保育士の独自加配を66年から継続。職員人件費の給与水準(ラスパイレス指数)は政令市で4位タイの高水準だ。

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https://news.yahoo.co.jp/articles/db84730459115edeeed44d77473c45e81c2fa44a
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