緊急事態宣言が解除されても、次に、また、感染拡大を引き起こすのではと危機感が高まっているのが、インド型の変異ウイルスです。
東京の中学校で発生した“インド型クラスター”の現場からは、その感染力の強さが見えてきました。

「インド型変異ウイルスのスクリーニング検査において、新たな陽性例も報告されている。引き続きの警戒が必要」(東京都 小池百合子 知事)

小池知事も警戒感を強める「インド型」の変異ウイルス。インドでは、医療用の酸素が足りなくなるほどの感染爆発を引き起こしました。
東京でも徐々に広がりを見せているのです。

「同じ中学校での、関係でのクラスターということです」(東京都 小池百合子 知事 今月9日)

インド型のクラスターが発生したのは都内の中学校。少なくとも男子生徒8人とその家族6人のあわせて14人の感染が判明しています。

「ぱぱぱっと(感染者が)増えたので、またまたまたって。個人的に(学校を)休ませようかなって考えている友達もいた」
(クラスターが起きた 中学校の保護者)

JNNの取材で、新たにインド型クラスター発生の詳しい状況が分かりました。

「こちらの野球場がある河川敷で自主練習をしていた男子生徒と保護者の間でクラスターが起きたということです」(記者)

関係者によりますと、感染が判明した男子生徒のうち、7人は野球部に所属。
新型コロナの影響で土日の学校での部活動が休止されていたため、先月下旬、7人だけで河川敷で自主練習を行っていました。

保護者が運転する2台の車で河川敷に向かった7人。車内ではマスクを着用し、移動時間は長くても数十分とみられますが、
その車内か、屋外での練習中に感染が広がった可能性が高いのです。

数日後に7人のうち1人が発熱し、新型コロナへの感染が判明。さらに、変異ウイルスを調べる検査でインド型であることが分かりました。
そして、他の6人も全員の感染が判明し、家族や同級生にも広がるなか、東京都はインド型のクラスターと認定しました。

「学校としては最大限の感染対策をしていた。濃厚接触者の中の陽性率が極めて高かったので、インド型の感染力の強さを感じる」(学校関係者)

インド型クラスターの発生を受け、学校は3日間休校にして消毒を実施。
野球部員や同級生、教員らおよそ120人に対象を広げて追加のPCR検査をしました。

専門家は・・・

「インド株の方が1000倍、あるいは1万倍、ウイルス量が多い場合がある。同じ部屋にいる人たちをドッと感染させてしまうぐらいの力。
今までなら大丈夫だと思ってた条件でも、インド株のような感染力の強さでは感染が成立してしまう」(国際医療福祉大学 松本哲哉 教授)

専門家は、来月中旬には新規感染者の半数がインド型の変異ウイルスに置き換わると分析。
インド型への対応が今後の感染対策のカギとなります。
https://news.yahoo.co.jp/articles/083626ae024684082eb59fa75e5f0746c5e95243