7月23日に東京オリンピック(五輪)の開幕を控える東京都内で、新型コロナウイルスのリバウンド(感染再拡大)が起きつつある。新規感染者数は28日までに9日連続で前週の同じ曜日を上回った。増加のペースは上がり続け、五輪期間中に「第5波」が襲う懸念が高まっている。

 「前週の同じ曜日と比較して100人前後増加している。人流がかなり増えている状況からいくと、増加傾向が強まることを危惧している」。26日夜、感染状況を説明した都の担当者は危機感を示した。

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 リバウンドの傾向は、3度目の緊急事態宣言の解除とともに顕著になり始めた。

 宣言最終日の20日の感染者数は376人と、前週の同じ日曜日と比べて72人増加。それ以降、同じ曜日を上回る日が9日続き、特に22日から26日までは前週と比べ98〜146人の大幅な増加が続いた。新規感染者の週平均の前週比も20日の101%から28日は124・8%まで上昇した。

 今週以降もこの状況が続けば、政府や都の対応に与える影響は大きい。7月11日に期限が迫るまん延防止等重点措置を延長するかどうかは、五輪の観客問題に直結し、日々の感染状況が大きな影響を与える。重点措置延長となると、無観客での開催を求める世論がさらに高まるのは必至だ。

都医師会「感染の波は避けられない」
 ただ、感染拡大の火種となる主…(以下有料版で、残り1266文字)

朝日新聞 2021/6/29 6:00
https://www.asahi.com/sp/articles/ASP6X671WP6XUTIL026.html?iref=sptop_7_01