4度目の緊急事態宣言など出す必要はないのだ。

 毎日、毎日、「新規感染者数」を発表するのもいったい何のためかわからない。

テレビや新聞があおっているだけ。

『週刊新潮』(7月15日号)の特集「五輪『無観客』圧力でも『重症者・死亡者』激減『子どもの死者』ゼロ」を読むと、そのことがよくわかる。

〈6月以降、重症者数は減り続け、新規感染者数が多少増えても、重症者数に影響を与えなくなっている。6月20日、東京都の新規感染者数は376人で重症者数は45人だった。それが7月4日は、感染者数が518人に対し、重症者数は51人。(中略)ちなみに、東京都が確保している重症者病床は373なので、病床使用率は13%余りにすぎない〉

重症者数とワクチン接種率は相関。

〈ちなみにイギリスでは、7月4日の新規感染者数は2万3838人で、死者数は15人。同日、人口が約2倍の日本では、新規感染者数が1414人で、(中略)死者数は5人〉

もはや感染者数で大騒ぎしても無意味。五輪も無観客にする必要などない。

それにしても、『新潮』、コロナに関しては冷静な報道が光る。

対する『週刊文春』(7月15日号)、「菅に鉄槌(てっつい)!」。

いつも書いているが、いやしくもわが国の総理、敬称くらいつけるのが礼儀だろう。

自民党東京都連総務会長、萩生田光一文部科学相が、都議選敗北について聞かれ、〈政府のワクチンや五輪の対応へのストレス〉と答え、菅義偉首相に人気がないのでは?と聞かれてこう答えている。

〈「確かに『政府に人気がない』=『菅首相に人気がない』ということだろうから、そこは否めません」〉

事実なら閣僚の発言としては、問題になろう。

『ニューズウィーク日本版』(7・13)の大特集「暗黒の香港」は丁寧なつくりだが新情報は少ない。総まとめ。

それより読んでほしいのは「働く女性と経済をコロナ不況が殺す」。優れたリポートだ。

(月刊『Hanada』編集長)