「このままでは今年中に接種が終わらない」。新型コロナウイルスのワクチンを巡って、東京23区の特別区長会と河野太郎行政改革担当相による意見交換が16日あった。各区長からワクチンの供給不足に対して不満の声が噴出、河野氏は釈明に追われた。
◆2回目用なのに「余剰分」とされ、抗議
 特別区長会会長の山崎孝明・江東区長は、ワクチンの供給不足について「区によっては予約をストップしているような状況だ」と指摘。一部の自治体で、2回目の接種用として保管していた在庫が「余剰分」とみなされて供給を絞られたとして「非常に強い憤りを感じる」と抗議した。
 河野大臣は「混乱を招いたことをおわびする」としつつ、「ワクチンの供給(計画)は当初から変わっていない。9月末までに2億2000万回分入ってくる」と強調。区長会側は感染拡大の続く東京への重点配分も求めたが、河野大臣は「(東京には)かなりしっかり配布されている」と応じなかった。
◆「国との信頼関係、揺らぎかけている」
 終了後、山崎区長は「大丈夫と言うが、現実にワクチンが足りず、今年中に接種が終わらないような状況だ。しっかりと区市町村に配布してもらう必要がある」と要望。保坂展人・世田谷区長は「国との信頼関係が揺らぎかけている。いつ、どれだけのワクチンが入ってくるのか明らかにしてもらいたい」と注文した。(岡本太)

東京新聞 2021年7月17日 06時00分
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