おととし、大阪・吹田市の交番で警察官を包丁で襲い、拳銃を奪ったとして、強盗殺人未遂などの罪に問われている被告に対して、検察は懲役13年を求刑しました。
弁護側は、精神的な病気の影響で責任能力がなかった可能性があるとして無罪を主張し、すべての審理が終わりました。

東京・品川区に住んでいた無職の飯森裕次郎被告(35)は、おととし6月、吹田市の交番の前で警察官を包丁で襲い、一時、意識不明の重体となるけがを負わせ、拳銃を奪ったとして、強盗殺人未遂などの罪に問われています。

大阪地方裁判所で開かれた2日の裁判で、検察は「被告には統合失調症による幻聴と、自立した生活を送れないことへの葛藤があった。
犯行前には交番の勤務態勢を調べるなど正常な判断能力はあり、限定的に責任能力はあった」として懲役13年を求刑しました。
一方、弁護側は「病気による妄想が犯行の原因で、責任能力がなかった可能性がある。事件当時、自分をコントロールできる状態ではなかった」として無罪を主張しました。
飯森被告は、裁判長に言いたいことがないか尋ねられると、「特にありません」と述べ、すべての審理が終わりました。
判決は今月10日に言い渡されます。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210802/2000049306.html