https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210811/k10013193881000.html

前線の活動が活発になって九州では非常に激しい雨が降り、土砂災害の危険性が高まっている地域があります。
西日本ではこのあとも断続的に非常に激しい雨が降って、夜間に状況が悪化するおそれがあり、
明るいうちに安全を確保してください。
前線は来週にかけて日本付近に停滞し、西日本ではさらに雨量が増えるほか、
東日本や北日本でも大雨となるおそれがあります。
今、雨が降っていない地域でもあらかじめ避難の場所や方法を確認し、早めの対策を心がけてください。

気象庁によりますと、中国大陸から九州付近にかけて伸びる前線に向かって南から暖かく湿った空気が流れ込んでいて、
九州には断続的に発達した雨雲が流れ込んでいます。

長崎県の新上五島町では、午後2時10分までの1時間に61ミリの非常に激しい雨が降りました。

長崎県では、これまでの雨で土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

西日本ではこのあとも雷を伴って断続的に非常に激しい雨が降る見込みで、
12日昼までの24時間に降る雨の量は、
いずれも多いところで、
▽九州北部で200ミリ、
▽九州南部で180ミリ、
▽四国で120ミリと予想されています。

夜間に状況が悪化するおそれもあり、自治体が発表する避難情報などに注意して、明るいうちに安全を確保してください。

さらに13日の昼までの24時間には、
いずれも多いところで、
▽九州北部で200ミリから300ミリ、
▽九州南部、中国地方、東海で100ミリから200ミリ、
▽四国、近畿、北陸で100ミリから150ミリの雨が降る見込みです。

前線はその後も来週にかけて日本付近に停滞し、西日本ではさらに雨量が増えるほか、東日本や北日本でも今後、
大雨となるおそれがあります。

今、雨が降っていない地域でも、あらかじめ自分が住む場所の災害の危険性をハザードマップなどで確認し、
避難の場所や方法を確認しておくなど早めの対策を心がけてください。

関東ではきょうも猛暑に

一方、東日本を中心に11日も厳しい暑さとなり、午後2時までの最高気温は東京 練馬区で35度ちょうどと猛暑日になるなど、
関東を中心に各地で気温が上がっています。

できるだけ外出は控えてこまめに水分を補給し、
▽屋内では夜間も含めて室温が28度以上にならないよう適切に冷房を使用し、
▽屋外では、人との距離が十分ある時にはマスクを外して休憩することなども重要です。

前線の停滞続き大雨のおそれ 気象庁が警戒呼びかけ

今回の大雨について気象庁は、来週にかけて前線の停滞が続くことから「梅雨末期のような大雨のおそれがあり事前に災害への備えを取ってほしい」として警戒を呼びかけています。

気象庁によりますと、現在、大陸から九州付近にのびる前線は、次第に日本の東へのび、来週にかけて日本付近に停滞する見込みだということです。

このため、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定になる見込みです。

▽西日本では、今週金曜日の13日にかけて、雷を伴って非常に激しい雨が降ってその後も大雨が続くおそれがあり、
▽東日本や北日本でも13日以降、大雨となる可能性があります。
非常に激しい雨が降り続く“線状降水帯”の発生も
さらに、短時間に雨が激しくなるおそれもあります。

前線が停滞する見通しの日本海では海面水温が30度近いところもあって、平年より高くなっています。

そのため、太平洋高気圧を回って流れ込む湿った空気とぶつかって活動が活発になり、
同じ場所に非常に激しい雨が降り続く「線状降水帯」が発生しやすい状況になっているということです。

気象庁は、すでに各地で梅雨明けはしているものの、いわゆる「梅雨末期」のような大雨が降るおそれもあるとして
警戒を呼びかけています。

気象庁予報課の岸本賢司主任予報官は「長雨の特徴に加えて、前線付近で非常に激しい雨が降ると、
災害が発生するおそれがある。前線の位置や活動度によって雨の降り方は変わるが、
前線付近はいつどこで大雨になってもおかしくない状況が来週にかけて続く。大雨に対する備えを事前に整え、
ふだんよりもこまめに気象情報を確認してほしい」と呼びかけています。