去年から5類への引き下げを主張してきた元厚生労働省医系技官で作家の木村盛世医師は「むしろこれを行わない限り、
日本は今の状況から抜け出せない」と主張する。

「感染症というのは、逃げれば逃げるほど追ってくる。そして残念ながら、私たちと新型コロナウイルス感染症との付き合いは、
それほど短い期間で終わるものではない。コロナだけに特化したり、“ゼロコロナ”を目指したりするような政策を続けていては、
それ以外のところで命を落とす人が山ほど出てくる。

主に政府の分科会や日本医師会が懸念を示したことで今に至っているが、
医療現場や保健所等としては、“正直もうやっていられなくなった”ということだろう。

新型コロナウイルスというのはコロナウイルスの中でもSARSやMERSなど、2類相当するような致死性が非常に高いものではなく、
むしろ季節性の通常のコロナウイルスに近い、いわば“新しいタイプの風邪のウイルス”だということがわかってきている。
通常の風邪になるまでにはさらに時間がかかるだろうが、致死性を鑑みれば5類相当というのが多くの専門家の意見だし、より早い段階で引き下げが行われるべきだった」。

引き下げ論の背景にあるのは、感染拡大に伴う医療提供体制のひっ迫だ。2類相当では無症状者も含めた入院勧告や外出自粛の要請、
都道府県による経過報告、感染経路の調査などの措置が講じられるため、医療現場や保健所にとって大きな負担となっているのだ。

木村医師も現状の対応について、「2類相当よりもっと高い、1類相当だ」との見方を示す。

「感染者数が増えてくれば、全てを把握しなければならない保健所が回らなくなってしまう。
また、医療機関でも防護服に身を包んで陰圧室という特別な部屋で診ることが原則になっているし、
患者を移動させる際にはいちいち消毒をし、濃厚接触者をチェックしなければならない。

さらに医療従事者に感染が起きた場合、周囲の医療従事者が仕事ができなくなるというくらい、ピリピリした感じになっていて、
もし一例でも院内感染が起これば、社会から叩かれてしまう心配もある。

そもそも新型コロナウイルスは65歳以上の高齢者が重症化しやすいことがわかっているが、その多くはワクチン接種を済ませた状況だ。
一方、医療現場のメインになってきているのが高齢者に比べて重症化リスクはかなり低い30〜50代だ。

それでも2類相当では原則入院にということになっているため、軽症者がベッドを埋めてしまっている。
また、開業医の団体であるところの医師会所属の医師の多くがコロナ対応を拒んでいることもあり、一部の医療機関に負担が集中、
病床数も医療従事者も限られて重症者が入院できない、非常に困った状況になっている。

だからこそ軽症者は原則的に自宅対応とし、そのために医師会の協力を得て訪問看護ステーションや開業医に診てもらうという政府の方針は極めて真っ当だし、
合理的な判断だ。日本では在宅医療が十分に進んでいるし、厚生労働省も進めてきている。酸素投与や薬剤投与もできる。
本来はそういうことをオールジャパン、医療総動員でやらなければいけない状況なのに、2類相当にしている限り診られない」。

ワクチン接種は進んできているが、デルタ株への置き換えが進んでいることもまた事実だ。これについても木村医師は
「確かに感染力は明らかに強く、水ぼうそう程度だとも言われている。感染力が強ければ感染者は増えるので、それだけ医療機関にも負担がかかる。
海外の知見も踏まえれば、やはり重装備をして陰圧室はやり過ぎだろうと思うし、入院が必要な水ぼうそうも5類相当だ」と話した。

https://times.abema.tv/news-article/8669912

前スレ https://asahi.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1628670839/