日本付近で停滞する前線の影響で13日、九州では記録的な雨量となり、北陸や中国地方でも大雨となった。広島市には一時、大雨特別警報が出された。気象庁によると、前線の停滞は1週間程度は続く見込み。西日本を中心に東北から九州の広い範囲で「いつどこで大雨による災害がおきてもおかしくない」状況が続く。

 総務省消防庁によると、13日夕時点で、長崎県雲仙市小浜町での土砂崩れにより、1人が死亡、2人が行方不明になっている。

 13日午後7時10分までに、48時間雨量の最大値として雲仙市で743・0ミリ、佐賀市で470・5ミリ、富山県氷見市で250・5ミリを記録するなど、九州と北陸の8地点で観測史上最多に。広島市では13日朝、発達した雨雲が次々と流れ込む線状降水帯が発生して「経験したことのないような大雨」になり、昼過ぎまで大雨特別警報が出された。

 気象庁によると、日本の南にある太平洋高気圧の北方への張り出しが弱いため、熱帯域の暖かく湿った空気が日本付近に流れ込み、停滞する前線を活発化させている。「梅雨末期と似たような気圧配置」(同庁の担当者)という。

 すでに記録的な大雨が降った九州北部では、14日午後6時までの24時間でさらに300ミリの雨量が予想され、その後の24時間でも200〜300ミリの見込み。東北から九州にかけて少なくとも15日までは広い範囲で大雨が続き、豪雨災害をもたらす線状降水帯がどこで発生してもおかしくない状況が続く。終わりの時期もはっきりと見えていないという。
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朝日新聞デジタル