北海道内では25日、新型コロナウイルスの感染者が新たに568人確認された。死者はなかった。新規感染者数が500人を上回るのは3日ぶり。

 新規感染者数の内訳は、札幌市で289人、旭川市で過去最多の83人、函館市で24人、小樽市で4人、道内他地域で168人。

 北海道旭川市で新型コロナウイルス感染が急拡大している。25日の新規感染者数は83人で過去最多となり、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は128・0人で札幌市(101・8人)も上回った。

 旭川では8月に入り感染が拡大。7月の感染者数は1日1桁だったが、8月上旬は10人前後、中旬は20〜50人台に跳ね上がった。

 人口10万人あたりの1週間の感染者数も急増。今月11日は15・8人だったが、21日には100・9人で、10日間で6倍に膨らんだ。

 旭川では昨年12月も感染が急拡大し、自衛隊の災害派遣を要請する事態になった。ただ、今回の感染拡大は前回とは様相が異なる。

 昨冬は病院や障害者施設で大規模なクラスター(感染者集団)が発生し、市中での感染は目立たなかった。一方、今回は市中での感染が中心だ。

 旭川市保健所は、夏休みなどで人出が増えたことが感染拡大の原因とみる。首都圏などの感染拡大地域から帰省した人が友人と飲食し、感染が広がった例が目立つという。

 旅行者が滞在先で発症して感染がわかったり、ビジネスで訪れた人が得意先と飲食して感染が広がったりした例もある。旭川市は20日からまん延防止等重点措置の対象となり、飲食店での酒類提供が停止されたが、目立った効果はまだ出ていないとみられる。

 市内のコロナ病床使用率は30%前後で余裕はあるが、25日の自宅待機者は428人に達した。浅利豪・市新型コロナウイルス感染症対策担当部長は「入院の必要がある方はきちんと入院できる状況」としつつ、「感染拡大のピークが見えず、強い危機感を持っている。札幌市を上回る危機的な状況であることを市民と共有し、対応したい」と話す。(本田大次郎)

朝日新聞社
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