自民党総裁選(17日告示、29日投開票)に菅義偉首相が立候補しないと表明してから一夜明けた4日、
「ポスト菅」を巡る動きが本格化した。現状では、正式に出馬表明したのは岸田文雄前政調会長(64)=岸田派=のみ。

出馬する意向の河野太郎行政改革担当相(58)=麻生派=はこの日は態度表明せず、
動向が注目される石破茂元幹事長(64)=石破派=も情勢を見極める構え。総裁選の構図はなお流動的だ。

安倍晋三前首相は3日、出身派閥の細田派幹部に対し、出馬に意欲を示す高市早苗前総務相(60)=無派閥=を支援する考えを伝えた。
細田派の高鳥修一衆院議員はブログで「『初の女性総理総裁』誕生に期待し、高市さんとともに前進する」と表明するなど、
同派所属議員の一部が支援の動きを見せている。

「首相批判票」を狙った岸田氏は、首相の不出馬を受け、発信を強化。
4日は読売テレビの番組に出演し「派閥、国会議員の動きに関心はあるが、
国民、党員に向けて発信を続けていく。これが国会議員にも影響を与えていく」と支持拡大に意欲を示した。

河野氏は4日、さいたま市内のイベントにオンラインで出演したが、
総裁選には言及しなかった。その後、国会内で自身に近い若手議員と面会した。

石破氏は派閥幹部らと連絡を取り合い対応を協議した。

石破派議員は「河野氏が出馬の意向を固めたことが一つのターニングポイントだ。
誰が河野氏を支援するのか、何が総裁選の一番のテーマになるのか見極めているところだ」と話す。

出馬に意欲を示す野田聖子幹事長代行(61)=無派閥=も推薦人20人の確保を目指して党内への働きかけを続けた。
https://mainichi.jp/articles/20210904/k00/00m/010/296000c