東京都内が緊急事態宣言中の今年7月、杉並区の田中良区長が公用車を使って群馬県長野原町のゴルフ場で開かれた経済団体の会合に出席していたことが、14日の区議会一般質問で分かった。共産の山田耕平区議が事実関係をただしたが、区長は答えず、白垣学総務部長が公務で「不要不急でないと判断した」と述べ、公務にあたるとの考えを示した。
 区によると、区長は7月14日、公用車で区役所を発ち、同町であった東京商工会議所杉並支部幹部会合に出席。区の新型コロナ対策や区内企業の現状について意見交換した。夜の会食があり、十数人が出席して酒の提供もあった。会合と会食には公共交通を使った区幹部3人も出席した。
 区議は質問で「意見交換はオンラインでもできたのではないか。自粛が求められる中、区民に背を向ける行為」と批判。会食について白垣部長は「群馬は当時、緊急事態宣言などが出ておらず、換気など感染対策もしていた」と答弁した。
 会合は例年、懇親ゴルフがあり、区長も参加していたが今年は不参加だった。
 閉会後、区長は報道陣から事態について尋ねられたが、答えず立ち去った。区役所ホームページの「区長の行動日程」欄は今回の会合先と開催場所が記され、「出張」だけ伝えていた。(砂上麻子)

東京新聞 2021年9月14日 19時01分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/130855