読売新聞 10/2(土) 12:51

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が全面解除されてから初の週末となった2日、各地の繁華街や観光地などでは、多くの人出がみられた。延期されていたイベントが開催されるなど経済再生へ向けた動きも拡大。政府は今後、段階的に制限緩和を進める方針で、経済活動と感染防止の両立を目指す。

 この日は朝から全国的に晴天となり、東京スカイツリー(墨田区)では、開業9周年の記念イベントが4か月遅れで開かれ、来場者にオリジナルのマスクがプレゼントされた。周年イベントは毎年、開業日の5月22日に開催してきたが、宣言中だった昨年と今年はいずれも延期。特に今年は43日間の休業を余儀なくされ、2019年度に360万人だった来場者は8割の落ち込みとなっている。

 2日は、朝から多くの人が展望台に上り、青空の下に広がる東京の街並みを眺めた。学生時代の友人と景色を楽しんだ女性(58)(さいたま市南区)は「緊急事態宣言が終わり、ワクチンも接種済みなので会おうと決めた。こうした日常が徐々に戻っていけばいい」と話した。

 東京・銀座では午前中から、マスク姿の買い物客や家族連れらが行き交った。正午からは、約1キロにわたる目抜き通りの歩行者天国が約半年ぶりに再開される予定で、会場の銀座通り周辺に車止めの柵が用意されるなど準備が進んだ。

 音楽仲間と会うために福島県いわき市から訪れた男性(83)は「感染拡大で仲間と会うのを控えていて、再会は半年ぶり。感染対策を取りながら楽しみたい」と声を弾ませた。

 1日当たりの入園者数を5000人から1万人に引き上げた東京ディズニーランド(千葉県浦安市)では、午前から入場を待つ家族連れらが列を作った。

 1日に約1か月ぶりに営業を再開した旭山動物園(北海道旭川市)もにぎわいをみせた。人が吐く二酸化炭素の濃度を測るセンサーを設置し、数値が高い場合は入場者数を調整する措置をとる。

 政府は今後、飲食店やライブハウスなどで、ワクチン接種証明書や陰性証明書を活用した「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験を行う。そのうえで、飲食店の営業時間拡大やイベントの上限人数引き上げなど、本格的な緩和を検討する。

https://news.yahoo.co.jp/articles/018be8ab0b5f6807204183d71d03a769d71025e6
営業時間前から観光客でにぎわう東京スカイツリー(2日午前9時16分、東京都墨田区で)=富永健太郎撮影
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入場を待つ人たちが列を作った東京ディズニーランド(2日午前10時、千葉県浦安市で、読売ヘリから)=守谷遼平撮影
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