2021/10/06 08:52

 地球温暖化予測の道を切り開いた米プリンストン大上席研究員の真鍋淑郎さん(90)が5日、ノーベル物理学賞に輝いた。1950年代に渡米し、日本の後進たちに研究の奥深さを伝えてきた真鍋さん。発表の直後、自宅で読売新聞の単独インタビューに応じ、「約60年の研究の原動力は好奇心」と満面の笑みを浮かべた。


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国内のノーベル賞受賞者も、真鍋さんの快挙をたたえた。

 1973年に物理学賞を受賞した茨城県科学技術振興財団理事長の江崎玲於奈・横浜薬科大学学長(96)は「二酸化炭素は地球の温度を決定づけ、我々が住む環境や生活を左右する。
彼の研究成果は、地球温暖化という課題を解決する上で重要な成果と言える。戦後の経済的に疲弊していた時期、日本では十分な研究環境が整備されず、米国に渡った多くの優れた研究者がおり、彼もその中の一人だった」と評価した。

 2019年にリチウムイオン電池の開発で化学賞を受賞した吉野彰・旭化成名誉フェロー(73)は「物理学の基礎研究に基づいて気象や環境問題の想定実験を行い、気候変動との関係性を明確に示した。新しい学術分野を開いた功績は大きい」と語った。

https://www.yomiuri.co.jp/science/20211006-OYT1T50075/