2021/10/09 17:00

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 海の中には危険な魚が多く潜んでいるが、英語ではニードルフィッシュと呼ばれるダツも要注意魚だろう。

 毒こそはもたないが、まるでヤリのような細くとがった口を持ち、鋭い歯がぎっしりと並んでいる。まるで凶器のような口で突き刺されたら致命傷を負うこともあり、漁師の間では、サメよりも恐ろしいと言われるほどだ。






凶器になり得る鋭い口を持つダツ

 日本を含む全世界の熱帯・温帯域に生息するダツは、全長1メートルほどの大きさでスリムな体型をしているが、何より特徴的なのは鋭い鋸のような歯で満たされた、前方に長く尖った顎部分だ。

 尖ったこの口は、スピードと組み合わさると凶器となり得る。

 ダツは、最大時速60キロメートルの速度でジャンプすることが可能で、障害物に対してその長い口で突き刺す。

 人が刺されると刺した部分でダツが回転し、更に傷口が広がってしまうため、時に致命的な怪我を引き起こすこともあるという。




光に敏感で刺激されると水面から飛び出す

 ダツは、光に敏感に反応する性質なため、光源に向かってジャンプする傾向があるため、太平洋全域の漁師やダイバーが夜間に海に出なければならない時は、海に光を投げないように注意しなければならない。

 障害物や夜間の明るい光に刺激されたダツが、高速で水面から飛び出してくるからだ。

 2014年には、ダツに攻撃された人のニュースが報じられている。

 ベトナムのリゾートビーチで泳いでいたロシア人観光客の女性(44歳)が、ダツに襲われ、首と脊髄を噛まれた。

 その怪我は麻痺を引き起こすほど深刻なもので、女性は搬送先の病院で7時間半に及ぶ手術を受けた。

 幸いにも、術後女性は回復したが、ダツによるものだと判明するまでは、女性はサメに襲われたと地元漁師らは思っていたという。

 しかし、ダツによるこうした事故例は稀であり、毎回ダツが人間を襲うというわけではない。

 それでも漁師やダイバーの中には、「ダツはサメよりも危険」という認識をしている者もいるようだ。

 こちらは、沖合でパドリング中の男性に向かってジャンプしてきたダツの映像。危機一髪で接触は避けられた。

 そんな危険なダツだけど、フライなどにして食べると結構おいしいらしいとのことだ。

written by Scarlet / edited by parumo

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