2021/10/19 15:16

 宅配中に女性をひいて死亡させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)に問われた宅配大手「ヤマト運輸」社員の被告の男(27)に対し、福岡地裁は18日、禁錮1年4月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年4月)の有罪判決を言い渡した。

 判決によると、被告は昨年7月8日、福岡県須恵町で荷物を配達中、安全確認が不十分のままトラックを後退させて、女性(当時65歳)に衝突して死亡させた。

 被告は社内で禁止されている狭い路地での車の後退を行い、自分の社内評価を下げないために後退時の警告音を切っていた。小西隆博裁判官は「配達先の近くに停車させたいとの理由でルールを破り、職業運転手として過失は大きい」と指摘した。

 女性の夫は取材に「宅配のトラックが以前、路地に入った時に危険だと妻に相談すると、『宅配が多くて運転手さんも大変だから』とたしなめられた。妻は私の生きる希望だった。コロナ禍で宅配が増えているが、安全第一で、犠牲者を出さないでほしい」と話した。

 同社は「心から深くおわび申し上げる。再発防止に努めたい」とのコメントを出した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20211018-OYT1T50343/