南西諸島における自衛隊機能強化を許さない

 自衛隊の変容という点では、「米中対立」が激しさを増すなか、対中国を念頭にした南西諸島地域での自衛隊基地・機能がこれでもかと強化されていることは重大です。2016年3月、台湾に近い日本最西端の沖縄・与那国島に陸上自衛隊の沿岸監視隊が配備されたのを皮切りに、18年3月には、陸上自衛隊に「日本版海兵隊」と呼ばれる「水陸機動団」が発足、19年3月、艦船を攻撃する陸自の地対艦ミサイル部隊、航空機を迎撃する地対空ミサイル部隊などを鹿児島・奄美大島に配備、20年3月、沖縄・宮古島にも地対艦・地対空ミサイル部隊が配備されました。これに加え、今後は沖縄・石垣島への地対艦・地対空ミサイル両部隊の配備、沖縄本島への地対艦ミサイル部隊の配備も狙っています。これらのミサイル基地には、射程を大幅に伸ばし、「敵基地」攻撃に転用できる12式地対艦誘導弾をはじめとした長距離ミサイルが配備される可能性が強まっています。

 さらに、鹿児島・馬毛島を自衛隊の訓練拠点とする計画が進んでいることも大問題です。これが実現してしまえば、戦闘機の離着陸訓練、「いずも」型空母に搭載するF35Bの発着艦訓練などが行われる見込みです。また、馬毛島では、米軍の空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の移転も行われようとしています。これらは、軍事対軍事のエスカレーションを招き、地域の緊張を高めるとともに、かりに有事になった場合、真っ先に攻撃対象となるなど危険極まりないものです。

――戦争を招きかねない自衛隊の増強に反対し、問題の平和的解決をめざします。

https://www.jcp.or.jp/web_policy/2021/10/2021s-bunya-073.html