11/9(火) 21:20
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 県農協中央会は9日、青森市の県農協会館で定例理事会を開き、雪田徹会長職務代行者(64)の解任を決めた。後任は未定。同中央会では全役員が空席という異常事態が続いているが、「暫定トップ」も不在となる前代未聞の展開となった。

 理事会は非公開で行われた。複数の出席者によると、八戸農協の山美喜正組合長が「中央会を分断させるような発言をした」などとして、雪田会長職務代行者の解任動議を提出。採決の結果、賛成4、反対3で可決された。同中央会における役員の解職や解任は本年度に入り3回目。

 雪田氏は2018年6月から青森農協組合長を務め、今年5月に同中央会の代表理事。6月末に全役員の任期が切れた後、7月に会長職務代行者に就任した。解任後も代表理事職務執行者としての肩書は残る。

 同中央会では役員改選を巡り、「選出過程が不適切」として候補者選出からのやり直しを求める県南側と、「役員候補者は規定に基づき決定済み」とする津軽側の主張が対立。雪田氏は今月1日、県南側を批判する談話を報道陣に発表し、「決まりが守られなければ共同での活動は無理」「自分たちが好きにできる別組織をつくればいい」などと発言していた。

 山美組合長は、この発言を解任動議の理由に挙げ、「組織をまとめようとせず、トップとして好ましくない」と説明した。

 雪田氏は理事会後の取材に「組合員や関係者に本当に申し訳ない」と陳謝した上で、「分裂させようというつもりはなく、勘違いさせたのかもしれないが、談話発表による解任は覚悟していた。私が解任されたことで事態が前に進むならそれで良い」と語った。

 同日は、会長職務代行者の後任につがるにしきた農協の泉谷利幸組合長が推薦されたが、採決の結果、賛成4、反対4の同数で過半数の賛成を得られず、否決となった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f9115993aeb8d6efd208d5edbd2d74b9e5c77417