修復作業が完了 国宝「源氏物語絵巻」を公開へ

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http://www3.nhk.or.jp/lnews/nagoya/20211112/3000019332.html
※NHKローカルニュースは元記事が消えるのが早いので御注意を

物語を描いた絵巻物としては国内最古とされる国宝「源氏物語絵巻」の修復作業が9年をかけて完了し、
所蔵する徳川美術館で13日から公開されます。

公開されるのは紫式部の源氏物語を描いた国宝「源氏物語絵巻」の一部で、
平安時代後期に描かれ、現存する物語を描いた絵巻物では国内最古とされています。
「源氏物語絵巻」はもともと54の場面で構成されていたと考えられていますが、
現存するのは19の場面でこのうち15場面は名古屋市の徳川美術館に所蔵されています。

これらは長年、額縁の状態で保存されてきましたが痛みが激しいため、
平成24年からより保存に適した本来の巻物の状態に戻す修復作業が行われ、
このほど9年をかけて完了したことを機に公開されることになりました。

このうち代表的な場面「柏木三」には光源氏が妻の女三宮が産んだ不義の子薫を抱いた姿が描かれています。
また「東屋二」には恋心に疲れた浮舟という女性が別の女性に慰められている様子が描かれています。

これらの場面はこれまでは物語が書かれた詞書と絵が別々に保存されていましたが、
今回の修復作業でこれらをあわせた本来の姿を取り戻しています。
また額縁での保存時に湿気や乾燥の影響で絵にしわが出来てしまっていたということで、
今回はしわをのばす作業も行われたということです。

徳川美術館の薄田大輔学芸員は「絵巻物は本来、ことばを読んでから絵を見る連続性のあるものだ。
巻物に戻したことで平安時代の鑑賞方法で令和の時代に見てほしい」と話し、
色鮮やかな絵と美しい書体の詞書きが互いに響き合う絵巻物本来の世界観を楽しんでほしいとしています。

「源氏物語絵巻」の特別展示はあすから12月12日までで、前半は8場面が、
後半の来月1日からは残りの7場面が公開されます。

11/12 17:31