多額の保管費用が指摘され、今年度内をめどに政府が廃棄することになった布マスク、いわゆる「アベノマスク」について、鈴木俊一財務相は24日の閣議後会見で「俗な言葉で言えば、『損切りをする』というようなことではないか」と語った。


 鈴木氏は廃棄する理由について「ずっと持ち続けると、保管費用がかさむ。やむを得ないのではないか」とも話した。

 1世帯あたり2枚の布マスクの配布は、コロナ禍初期の2020年4月1日、当時の安倍晋三首相が発表。世界各地でマスクの需要が爆発的に伸び、国内で深刻なマスク不足が起きたことへの対応だった。これとは別に介護施設などにも布マスクを配った。

 だが、不良品がみつかったことや、不織布の使い捨てマスクなどと比べて感染防止の効果が低いとされることから不評となり、約8千万枚が配布先が見つからないまま東京近郊の倉庫に保管されている。


 今年度の保管費は3億円を超える見込みで、岸田文雄首相は21日夜の会見で「ご希望の方に配布し、有効活用を図った上で年度内を目途に廃棄を行うよう指示をした」ことを明らかにしていた。(吉田貴司)

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