来年1月実施の大学入学共通テストなどでの新型コロナ対応をめぐり、末松信介文部科学相は27日、記者会見を開き、オミクロン株感染者の濃厚接触者は、陰性で無症状であれば受験を別室などで認める方針を明らかにした。文科省は24日、オミクロン株感染者の濃厚接触者について、無症状でも本試験の受験を認めず追試に回ってもらうとの方針を発表していたが、受験生への影響を懸念した岸田文雄首相の指示を受け、3日で撤回した。

 会見で末松文科相は「様々な意見が寄せられ、一人でも多くの受験生が適切に受けられるようにすることが必要と考えた」と説明。受験生を混乱させたことについては「もう少し時間をかけて検討すべきだった。不十分なところがあった」と述べた。

 文科省は24日、各大学などに示しているコロナ対応のガイドラインを改めた。そのなかで、オミクロン株感染者の濃厚接触者については無症状であっても、PCR検査などで陰性の結果が出ていたとしても本試験の受験を認めず、追試験に回ってもらう方針を示していた。

 24日の改定前のガイドラインでは、オミクロン株感染者の濃厚接触者も他の株の濃厚接触者も、「PCR検査で陰性」などの4条件をすべて満たせば、本試験の受験を認めていた。
朝日新聞 2021年12月27日 19時51分
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