「埋め込むときに何かあったりとか…心配はありますよね」

ペットショップを訪れた客からの反応です。
飼い主がすぐに分かるように販売業者に犬や猫へのマイクロチップの装着を義務づける法律が2022年6月に施行されます。


マイクロチップはどういうもの?

手のひらの上にある小さな電子器具がマイクロチップです。小指の爪とほぼ同じ長さです。
専用の機械で読み取ると、15桁の識別番号が表示されます。

今回の法律の施行前からマイクロチップの導入は広がっていて、現在は日本獣医師会や動物の団体がそれぞれデータベースを作っています。

もっとも利用者の多い日本獣医師会のデータベースにはマイクロチップを装着したおよそ276万匹の犬と猫の情報が登録されているということです。


ペット保険などを取り扱う保険会社が、2019年に犬や猫を飼育する200人を対象に行ったアンケートです。

全体の69.5%がマイクロチップの装着の義務化に「賛成」または「どちらかというと賛成」と回答した一方、
30.5%は「反対」または「どちらかというと反対」と回答しました。

その理由は「かわいそう」とか「装着後のペットの状態が心配」などでした。


義務化に向け課題もあります。
1つは飼い主への周知と理解が進んでいないことです。

法律の施行に先駆けて取り扱うすべての犬と猫にマイクロチップを装着しているペットショップでは、購入する人にマイクロチップの仕組みを説明し、氏名や住所、連絡先などを登録する手続きをしてもらっています。

客の中にはマイクロチップの存在を知らない人や不安を感じる人も少なくないといいます。


さらにマイクロチップを取り付ける技術も課題となっています。

マイクロチップは肩のあたりに注射器で取り付けます。注射は獣医師が行うことが求められていますが、動き回る動物を相手にするには十分な経験や技術が必要です。

獣医師の1人は「深く刺してしまうと、神経を傷つけてしまったりだとか、筋肉を傷つけてしまったりする原因になりますので、そういった点はしっかりと気をつけて装着しています」と話していました。

環境省は、一般の意見も聞いて詳細を正式に決定し、義務化に向けて業者や飼い主への周知を進めることにしています。

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2022年1月5日
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/74212.html